ごはん食健康データ

制作・著作 公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構

JPHC

JPHC Study(Japan Public Health Center-based prospective Study)は、全国11地域の保健所を拠点に、がんや脳・心血管疾患の危険因子を明らかにし、生活習慣病対策を推進することを目的とした長期コホート研究であり、国立がん研究センターが主体となって実施している。アウトカムはがん、脳・心血管疾患の発症であり、死因についても検討している。アウトカムや曝露要因の設定にもよるが対象者数は5~10万人で追跡期間は10~15年である。ここでは日本食パターンと前立腺がん、乳がんの発症、総死亡・死因別死亡、穀物・米の摂取と大腸がん、脳・心血管疾患(脳卒中、冠動脈疾患)発症の関連が検討されている。西洋化された食事パターンは前立腺がんリスクを高めるが、伝統的な日本食パターン(米の因子負荷量は0.2程度で、このパターンへの寄与が高い)と前立腺がんの間には関連はなかった。西洋型食事パターンは乳がんリスクの増大と関連していたが、日本食パターンと乳がんのリスクとの間には明確な関連はなかった。質素な食事パターンおよび西洋型食事パターンは日本人の総死亡率、脳・心血管疾患死亡率のリスク低下と関連していたが、日本食パターンはリスクの上昇とも低下とも関連がなかった、男女ともに、米の摂取およびいずれの穀物摂取も、大腸がんとの間に統計的有意な関連はなかった。また米の摂取量は脳・心血管疾患(脳卒中、虚血性心疾患)の発症との関連はなかった。